介護サービスのいろいろを知ると、さぁ、介護保険を利用してと思う方はたくさんいらっしゃいます。ですが、認定が終わっていないと、介護サービスは受けることが出来ません。何よりもお元気なときにこそ、認定を受ける手続きを済ませておきましょう。いざとなった時に、とても助かるものです。
では、介護認定の手続きを、流れに沿ってご説明します。それぞれの介護度について、その違いを認識しておきましょう。
【要介護認定の申請】
1 市区町村の窓口で申請をしますが、本人が無理の場合、家族が出来ない場合には、居宅介護支援事業者に申請の代行を頼んでも大丈夫です。
2 申請後、市役所から調査員もしくは、市町村が委託した事業者が本人の家に調査に来ます。これを認定調査といいますが、心身の状況、介護の状況などについて調査を行います。認定調査は厚生労働省が定めている全国統一の調査項目について行われます。
調査項目の概要は以下のとおりです。
・ 麻痺の有無 関節の動く範囲の制限の有無 寝返り 起き上がり
・現在受けているサービス、
・座位の保持 立位保持 歩行 椅子等への移乗
・対象者の主訴、家族状況、居住環境、日常的に使用する機器・器械の有無等
・ 移動 立ち上がり 片足での立位保持 体を洗うこと
・じょくそう等の有無
・えん下(飲み込み) 食事摂取 飲水
・排尿 排便 清潔(整容)
・衣類の着脱
・薬の内服 金銭の管理 電話の利用 日常の意思決定
・視力 聴力 意思の伝達 介護者の指示への反応
・記憶・理解 問題行動 特別な医療 障害高齢者自立度
・日中の生活 外出頻度 家族・居住環境・社会参加の状況などの変化
3 主治医意見書を作成します
・ かかりつけの医師に意見書(所定の様式)の記載を依頼してください。依頼は申請者本人が行う場合と市町村が行う場合がありますので、ご希望は役所へ直接お伝えください。なおかかりつけの医師がない場合には、市区町村が医師を指定することになっています。
【認定結果がでるまでの流れ】
1 一次判定
要介護の認定は認定調査の結果に基づいて、コンピューターで一次判定をします。
2 二次判定
一次判定結果に主治医の意見書や認定調査票の特記事項が判断材料となって、介護認定審査会が行なわれますが、これが二次判定となります。
3 認定の決定
二次判定で要支援、要介護の度数が決定します。
4 不服の場合
もしも、認定内容が不服の場合は、市区町村の介護保険認定係に相談をしましょう。それでも解消されない場合には、各地域にある「介護保険審査会」に申し立てを行いますと、再度判定をしてくれます。ただし、認定の基準や手続き、認定に際しての勘案すべき事項などは厚生労働省で決められておりますので、認定は、統一した基準で公平に行われますことを申し添えたいと思います。
【認定の更新をする場合】
本人に何らかの変化が生じた場合に、認定の更新を行ないましょう。その手続きは以下の通りです。
1 更新申請
・ 認定期間が切れる前に、認定の更新申請を行う必要があります。
・ 認定期間は通常12か月(新規は6か月)ですが、心身の状況が変わりやすいなどの状態の場合、要介護認定は3~24か月の範囲で、また、要支援認定は、3~12か月の範囲で短縮または延長できます。
・ 更新申請をせずにいたために有効期間を過ぎた場合、空白の期間の保険給付は受けられなくなります。ご注意ください。
・これらは、要支援から要介護などの区分変更の場合も同様に行なえますので、申請を忘れないでください。
【判定結果】
介護認定の判定結果の種類は、「要介護」「要支援」「非該当(自立)」と分けられています。
1 介護給付の種類
・要介護の場合は、介護給付がなされます。
・要支援の場合は、予防給付がなされます。
・非該当(自立)の場合は、要介護・要支援になるおそれがあれば、「特定高齢者」として扱われます。介護予防のプログラムが作成されますし、年1回の健診等を通じて、定期的なチェックを受けましょう。
【認定基準】
・要支援1 生活機能にほんのわずかの低下があるが、介護予防サービスによって改善が見込まれる場合。
・要支援2 生活機能の一部に低下があり、介護予防サービスによって、改善が期待できる場合。
・要介護1 身の回りのことを行なうのに見守りや手助けが必要なうえに、立ち上がり、歩行に支えが必要な場合、
・要介護2 身の回りの世話全般に見守りや手助けが必要である同時に、立ち上がり・歩行等で支えが必要。さらに、排せつや食事で見守りや手助けが必要な場合。
・要介護3 身の回りの世話や立ち上がりが一人ではまったくできない場合。特に排せつ等で全般的な介助が必要な場合。
・要介護4 日常生活のために機能がかなり低下しており、全面的な介助が必要。問題行動や理解低下もあるし、立ち上がりや歩行などがほとんどできない場合。
・要介護5 日常生活を営む機能が完全に低下し、全面的な介助が必要な場合。問題行動や理解低下もあるので、意思の疎通が困難な場合
【特定高齢者】
このほかに、介護予防サービスとして、毎年実施される生活機能評価で、“要支援・要介護になるおそれがある”と認められた場合には「特定高齢者」となります。あるいは、要介護認定で「非該当(自立)」という結果の場合も、生活機能評価を受けて「要支援・要介護になるおそれのある」と認められれば、特定高齢者となります。
特定高齢者あ、市区町村の「介護予防サービス」を受けることができます。
【第2号被保険者の要介護認定基準】
第2号被保険者(40歳以上65歳未満)で脳卒中、初老期における認知症など、下表の特定16疾病のために介護状態になった場合には、要介護認定が受けられます。ただし、ケガなどを原因の場合は、介護保険の給付対象になりません。認定の種類は、第1号被保険者と同じですが
特定16疾病だけは把握しておきましょう。
1 アルツハイマー、ビック病 、脳血管性認知症、クロイツフェルト・ヤコブ病など
2 脳出血 、脳梗そくなど
3 筋萎縮性側策硬化症(ALS)
4 進行性核上性まひ・大脳皮質基礎核変質症 及び パーキンソン病
5 せき髄小脳変性症
6 シャイ・ドレーガー症候群
7 糖尿病性腎症 、糖尿病性網膜症、糖尿病性神経障害
8 閉そく性動脈硬化症、慢性閉そく性肺疾患 ・肺気腫
9 慢性気管支炎、気管支ぜんそく、びまん性汎細気管支炎
10 両側の膝関節、または股関節に著しい変形を伴う変形性関節症
11 関節リウマチ
12 後縦靭帯骨化症
13 背柱管狭窄症
14 骨折を伴う骨粗しょう症
15 早老症(ウエルナー症候群)
16 小児ガンをのぞく末期ガン
これらは、2007年4月現在の内容です。規定変更などにより内容が変更となる場合があります。